瞼縁下垂の手術(開瞼筋群に対する手術)

こんにちは,東京・神奈川で眼瞼下垂・瞼のたるみ・クマ・二重手術の治療を行っている形成外科・美容外科・眼形成の奥村仁です.

目次
1手術方法
2術後ケア
3術後経過
4合併症

1瞼縁下垂の手術方法

1ミュラー筋短縮
2挙筋腱膜前転術(一番多い)
3挙筋腱膜+ミュラー筋前転術

開瞼筋群の動きで術式を決めます

動き良→→→→→→→→→→悪
1ミュラー筋→2腱膜→3両方
術前に挙筋能を診察しますが,実際には術中にそれぞれの組織を固定して座位で確認して、固定する組織を決定する事が多いです

挙筋腱膜前転術の模式図

超アトラス 眼瞼手術 -眼科・形成外科の考えるポイント 村上正洋 鹿嶋友敬編
Aponeurosisを利用した眼瞼下垂手術 奥村仁 から引用

挙筋腱膜※の前層と後層を一緒にして瞼板に糸で固定する手術を行います.

※腱膜→まぶたを上げる筋肉(上眼瞼挙筋)と瞼板(けんばん)という軟骨様組織をつなぐ線維性組織

眼瞼下垂施術例

2術後ケア

抜糸まで

術後7日間は,出血や血腫などの予防として顔が赤くなるような行為(運動・飲酒・入浴など)は控えて下さい.

腫れ(腫脹)の予防のために,患部周辺を,よく冷やして下さい.特に術後3日間はアイスノンや保冷剤,冷たいタオルなどで冷やして下さい.また,横になると,顔がむくみやすいので,日中は座位で冷やして下さい.


シャワー浴や洗顔は,手術の次の日から可能です.顔を洗う時に一緒に,傷周囲の軟膏や血液をやさしく洗い流して下さい.術後3日以降は石鹸で傷も洗って頂きます.(消毒の必要はありません)眼軟膏を塗布していただきます.

コンタクトレンズの使用は,2〜3週間控えて頂きます.

抜糸

術後5~7日目に行います.

術後診察

抜糸後の診察は,通常3回行います.
術後1ヶ月,3ヶ月,6ヶ月に受診して頂きます.

3術後経過

術式により,多少の前後はございますが,一般的な術後経過についてお話しします.

①腫れ(腫脹)

術後3日間(出来れば抜糸まで)は、出来るだけ座位で患部を保冷剤、アイスノン、氷水の入った袋などで冷やす事により、腫れを抑えられます。

術後1〜2日目がピークで、徐々に引き、術後7日目(抜糸時)ではよく冷やしておけば、7割程度良くなっています。完全に腫れが引くには2〜3ヶ月要します。

②内出血(皮内・皮下出血)

内出血は範囲・量により変わりますが、回復するまで、1〜2週間を要します。

術前、抗凝固薬・抗血小板薬・血管拡張薬の内服中の方の場合、主治医に確認後、可能ならば休薬しております。

術中はバイポーラーという器具を用いて丁寧に止血します。

特に術後2,3日は瞼を動かさずに、圧迫しておき、血流が良くなるようなこと(入浴、運動、飲酒など)を避けていただきます。

③傷の色(赤み)

傷の赤みは、術後1ヶ月位をピークに徐々に引いていき、術後6ヶ月位かけて白くなっていきます。

④傷の固さ(硬結)

傷の周囲は、治る過程で硬くなり、硬結と呼ばれます。

赤みと同様に、術後1ヶ月位をピークに徐々に軟かくなっていきます。

合併症

術後出血・血腫

血液が皮膚の下に多くたまることを血腫(けっしゅ)といいます.術後出血・血腫の予防には、内出血の予防と同様に特に術後2,3日瞼を動かさずに、圧迫しておき、血流が良くなるようなこと(入浴、運動、飲酒など)を避けていただきます.

感染

感染の予防に,洗顔する事で傷を洗浄して清潔に保っていただき,抗生物質を内服して頂きます.

過開瞼・低矯正

年齢や,その人に応じた予定していた開瞼よりも大きくなったり,小さくなったり,左右差がでたりすることがあります
原因は,術中手技,筋肉の可動性,術中の出血・腫れの程度や,麻酔による影響,術後経過(瘢痕拘縮)などが考えられます.
術中は細かく止血して出血をコントロールし,筋肉の近くの麻酔は最低限にするなどの対策をとっています
それでも,生じた過矯正・低矯正は,術後6ヶ月程度経過をみてから,修正いたします.

瞼の形の不整

構造的な原因として

(1)加齢性に外嘴靭帯が弛緩して、水平方向の張りが少なかったり
(2)瞼板という軟骨がやわらかくて、変形しやすい

ことがあります.

手技的な問題で変形を起こさないように,腱膜を縫合する位置や,糸をかける幅を調整して,できるだけスムーズなカーブを描くように注意しております.

最後に

眼瞼下垂でお悩みの方は一度お問い合わせください。

当サイトは形成外科医 奥村仁のポータルサイトであり、クリニック名ではありません。

Instagramでの告知やLineでのカウンセリングを行っている他医師とは無関係です。

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