こんにちは,東京・神奈川でまぶたのたるみ・眼瞼下垂・二重・クマの治療を行っている形成外科・美容外科・眼形成の奥村仁です.
目次
1手術方法
2手術適応
3術後ケア
4術後経過
5利点欠点
6合併症
手術方法
二重になって折り込まれる線(重瞼線)の直上の皮膚を切除する方法です.通常皮膚の切除量は眉毛下皮膚切除に比べると,少ないことが多いです.
手術適応
⑴生まれつきのまぶたの形が二重
⑵重瞼線直上の皮膚や,皮下脂肪が厚くなく,ブジーテストで厚ぼったく感じない
⑶見えるような位置に傷をつけたくない
⑴〜⑶のような方が重瞼線皮膚切除のいい適応となります
術後ケア
(1)抜糸まで
術後7日間は,出血や血腫などの予防として顔が赤くなるような行為(運動・飲酒・入浴など)は控えて下さい.
腫れ(腫脹)の予防のために,患部周辺を,よく冷やして下さい.特に術後3日間はアイスノンや保冷剤,冷たいタオルなどで冷やして下さい.また,横になると,顔がむくみやすいので,日中は座位で冷やして下さい.
シャワー浴や洗顔は,手術の次の日から可能です.顔を洗う時に一緒に,傷周囲の軟膏や血液をやさしく洗い流して下さい.術後3日以降は石鹸で傷も洗って頂きます.(消毒の必要はありません)眼軟膏を塗布していただきます.
⑵抜糸
術後5~7日目に行います。
⑶術後診察
抜糸後の診察は,通常3回行います.術後1ヶ月,3ヶ月,6ヶ月に受診して頂きます.
術後経過
⑴皮内・皮下出血斑
皮内・皮下出血斑は程度の差はありますが,必ず術後認めます.範囲が広い人は上まぶただけでなく,下まぶたまで広がることがありますが,必ず時間の経過とともにうすくなってきます.大半の人が2週間程度で肌色に戻ります.傷の周囲は,お化粧でカバーしても構いません.
⑵腫れ(腫脹)
腫れ(腫脹)は術後2日目くらいがピークで,徐々に引いていき,術後1週間くらいで強い腫れは取れます.腫れぼったい感じが完全になくなるのには,2か月程度かかります。術後早期の腫れの予防には,患部周辺をよく冷やしていただくことが重要です.特に術後3日間はアイスノン・保冷剤や冷たいタオルなどで座位で冷やして下さい.
⑶傷の赤み
傷の赤みは術直後よりも術後3週間程度の時期に強い時期がありますが,徐々にひいてきて,術後6か月くらいの時期にはかなり薄くなっています.完全に白くなるのには,1年近くかかります.
⑷傷が硬い(硬結)
硬結とは切った部分が,傷が治る過程で硬くなることですが,術後3週間くらいまでの時期は傷が硬く感じる時期があり,徐々にひいてきて,術後6か月くらいの時期には気にならなくなることが多いです.
利点・欠点
利点
①傷跡が目立たない
傷跡が二重の折れ返る部位にあるので,眼が開いていると,全く見えません.眼を閉じている場合でも,術後1カ月位は赤みがありますが,徐々に白くなるので,目立たなくなります.(皮膚切除量が多い場合は,皮膚や皮下脂肪の厚みに違いがあるために,縫合部に段差が目立つことがあります.)
②眼瞼下垂症手術と併用しやすい
眼瞼下垂症の挙筋前転術の時には,重瞼線を切開するため,直上の皮膚を同時に切除する事が可能です.
③重瞼手術と併用しやすい
元の瞼の形が一重の人ならば,重瞼を一緒に形成する事が可能です.二重の人でも,元の位置よりも広くする事も出来ます.
④眼窩内脂肪の減量がしやすい
睫毛近くにある余剰な眼窩内脂肪を切除して,重瞼を取れにくくし,開瞼抵抗を減らす事が出来ます.
欠点
①二重が厚ぼったくなる事がある
まぶたの皮膚・皮下脂肪(皮膚と眼輪筋間)は,睫毛近くでは薄く,眉毛に近付くにつれて徐々に厚くなります.また,睫毛から数mmは皮下脂肪がない部位があります.切除量が少なければ,皮膚も薄く,皮下脂肪もないため,スッキリとした二重ですが,切除量が多いと,厚い皮膚と皮下脂肪によりり,厚ぼったい二重になります.
②二重になり,印象が変わる
元々一重の人の中には,印象の変化を望まない人もいるので,二重になる術式が欠点と感じる人もいます.睫毛から3mm程度の位置に重瞼線を設定し,皮膚切除量を控えめにして印象が変わりにくいように本術式を行うこともあります.
合併症
⑴血腫
術後出血が止まらないと,皮下に血が溜まり,コブのように膨れる(血腫)事があります.血腫の予防の為に,普段,抗凝固薬・抗血小板薬・血管拡張薬を内服している方には,術前に休薬して頂いたり,術後伸縮テープによる圧迫をし,患部を安静にして頂きます.
⑵感染
まぶたは血流がよく,通常感染するリスクはほとんどありませんが,傷の1日2回の洗顔時の洗浄や,抗生剤の内服をしてもらい予防します.
最後に
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