こんにちは、東京・神奈川でまぶたのたるみ・眼瞼下垂・クマ・二重形成の手術を行っている形成外科・美容外科・眼形成の奥村仁です.
1手術方法
眉毛下皮膚切除は,眉毛直下の皮膚や,眼輪筋,眼輪筋下線維性脂肪織を切除する方法です.眼輪筋や脂肪を使って,眉毛の位置が下がりにくいようにする事も出来ます.
2手術の特徴(利点・欠点)
利点
⑴元々,一重の人の中には,二重になり印象が変わるのが嫌な人もいるので,顔の印象の変化の少ない本術式を選択致します.
⑵重瞼部皮膚切除の場合,皮膚切除量が多いと,不自然な厚ぼったい二重になる事があるので,そのリスクを避ける事が出来ます
⑶眉毛の量の多い人や,アートメークをしている方などは,比較的術後早期から傷が目立ちません.
欠点
⑴傷が見える位置に出来ます
重瞼部皮膚切除と違い,瞼の開閉に関係なく傷が見えます.女性の場合は,術後3週間位から,お化粧で隠していただいてもいいのですが,男性だとそうはいきません.傷は6ヶ月〜1年位かけて白くなり,殆どの方が目立たなくなります.薄くなるまでの期間を許容出来る方で,重瞼部皮膚切除だと厚ぼったい二重になるような方に,厚ぼったくないナチュラルなまぶたになるこの方法が好まれます.
⑵瞼が赤くなる方がいます
瞼の皮膚・皮下脂肪は,睫毛近くは薄く,眉毛に向かって徐々に厚くなります.眉毛下の厚い組織を切除して,少し薄い睫毛側の組織を眉毛下に縫合するため,術前より皮膚・皮下脂肪の薄いまぶたになります.加齢により組織の厚みがより薄くなっている方は,まぶたの質感の変化や赤みが気になる事があります.
⑶眉尻の傷の外側が盛り上がる事があります
⑶皮膚切除後の傷の両端には,dog earと呼ばれる皮膚の盛り上がりが,必ず出来ます.dog earは紡錘形に皮膚切除する時,角度が小さいほうが目立たちません.そのため,皮膚切除量が少ない眉頭側は角度が小さくなるためdog earは目立たず,皮膚切除量が多い眉尻側は目立ちやすくなります.また,dog earが骨の突出している上に出来ると余計に目立つため,眉尻より外側の目立ちづらい位置まで傷を伸ばす事があります.
3手術適応
⑴生まれつき一重で二重に変えたくない
⑵皮膚・脂肪が厚くて重瞼線皮膚切除だとわざとらしい厚ぼったい二重になりそう
⑶眉毛の位置が下がっていない
⑴〜⑶のような方が眉毛下皮膚切除のいい適応となります
4術後ケア
抜糸まで
術後7日間は,出血や血腫などの予防として顔が赤くなるような行為(運動・飲酒・入浴など)は控えて下さい.
腫れ(腫脹)の予防のために,患部周辺を,よく冷やして下さい.特に術後3日間はアイスノンや保冷剤,冷たいタオルなどで冷やして下さい.また,横になると,顔がむくみやすいので,日中は座位で冷やして下さい.
シャワー浴や洗顔は,手術の次の日から可能です.顔を洗う時に一緒に,傷周囲の軟膏や血液をやさしく洗い流して下さい.術後3日以降は石鹸で傷も洗って頂きます.(消毒の必要はありません)眼軟膏を塗布していただきます.
抜糸
術後5~7日目に行います
術後診察
抜糸後の診察は,通常3回行います.術後1ヶ月,3ヶ月,6ヶ月に受診して頂きます.
5術後経過
⑴皮内・皮下出血斑
皮内・皮下出血斑は程度の差はありますが,必ず術後認めます.範囲が広い人は上まぶただけでなく,下まぶたまで広がることがありますが,必ず時間の経過とともにうすくなってきます.大半の人が2週間程度で肌色に戻ります.傷の周囲は,お化粧でカバーしても構いません.
⑵腫れ(腫脹)
腫れ(腫脹)は術後2日目くらいがピークで,徐々に引いていき,術後1週間くらいで強い腫れは取れます.腫れぼったい感じが完全になくなるのには,2か月程度かかります。術後早期の腫れの予防には,患部周辺をよく冷やしていただくことが重要です.特に術後3日間はアイスノン・保冷剤や冷たいタオルなどで座位で冷やして下さい.
⑶傷の赤み
傷の赤みは術直後よりも術後3週間程度の時期に強い時期がありますが,徐々にひいてきて,術後6か月くらいの時期にはかなり薄くなっています.完全に白くなるのには,1年近くかかります.
⑷硬結(傷が硬い)
硬結とは切った部分が,傷が治る過程で硬くなることですが,術後3週間くらいまでの時期は傷が硬く感じる時期があり,徐々にひいてきて,術後6か月くらいの時期には気にならなくなることが多いです.
⑸痛み
内服の鎮痛薬で抑えられる程度の自発痛が約1週間あります.それ以降,自発痛はほとんどありませんが,1ヶ月位は洗顔などで触ったときに,ピリッと痛みがでることがあります.
⑥合併症
⑴血腫
術後出血が止まらないと,皮下に血が溜まり,コブのように膨れる(血腫)事があります.血腫の予防の為に,普段,抗凝固薬・抗血小板薬・血管拡張薬を内服している方には,術前に休薬して頂いたり,術後伸縮テープによる圧迫をし,患部を安静にして頂きます.
⑵感染
まぶたは血流がよく,通常感染するリスクはほとんどありませんが,傷の1日2回の洗顔時の洗浄や,抗生剤の内服をしてもらい予防します.
最後に
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